ばね用語の辞典です。
ばねの基本用語や製造工程に関する用語、設計用語、力学用語、めっきや塗装などの表面処理に関連する用語も掲載しています。
参考文献
「JIS B 0103 ばね用語」
「六か国語ばね用語辞典」(日本規格協会)
や | 焼入油 | 炭素鋼の焼入れに用いられる植物性油又は鉱物性油。一般には、鉱物性油に添加物を混ぜたものが多く、60~80℃が適当であるが、材質・形状などによっては90~120℃で行っている。 |
や | 焼入応力 |
焼入れで生じる残留応力。焼入応力には、内外部の冷却時間的なズレに起因する熱応力と変態に伴う変態応力とがあり、一般に両者が組み合させて生じる。
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や | 焼入剤 | 焼入れを行うための冷却媒体。一般的には油が用いられるが、材質によって水、空気、溶融塩などが用いられる。 |
や | 焼入性 | 鉄鋼を焼入れ硬化させる場合の焼きの入りやすさ。すなわち、焼きの入る深さと硬さの分布を支配する性能。 |
や | 焼入れ |
オーステナイト化温度から急冷して硬化させる処理。必ずしも硬化を目的とせず、単に急速に冷却する操作をいうこともある。 オーステナイト状態で圧延を行い、その後、圧延ライン上で直ちに行う焼入れもこれに含む。これを圧延後直接焼入れともいう。 |
や | 焼入れ温度 | 鋼などを焼入れするとき、焼入れ液に投入するときの品物の温度。 |
や | 焼入れ炉 | 焼入れするための加熱炉。形式として連続式とバッチ式があり、電気炉、ガス炉、塩浴炉などが用いられる。 |
や | 焼入れひずみ | 鋼材や部品を焼入れしたときに発生する寸法変化、形状変化をいう。 |
や | 焼入変形 | 焼入れによって生じる形状または寸法の変化。 |
や | 焼入れ焼き戻し | オーステナイト化温度から急冷硬化させた後、変態又は析出を進行させて所定の性質及び状態を与えるために、A1点以下の適当な温度に再加熱、冷却する操作。 |
や | 焼入れ炉 | 焼入れするための加熱炉。形式として連続式とバッチ式がある。電気炉、ガス炉、塩浴炉などがある。 |
や | 焼きなまし |
適当な温度に加熱し、その温度に保持した後、冷却する処理。その目的は、残留応力の除去、硬さの低下、被削性の向上、冷間加工性の改善、結晶組織の調整、所要の機械的、物理的又はその他の性質を得ることなどである。
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や | 焼なまし時間 |
焼なまし時に適当な温度に加熱し、その温度に保持する時間。 |
や | 焼ならし |
Ac3点またはAcm点以上の適当な温度に加熱して一様なオーステナイト組織にした後、空冷する操作。目的は前加工の影響を除去し結晶粒を微細化して機械的性質を改善することである。 |
や | 焼戻し | 焼入れで生じさせた組織を、変態又は析出を進行させて安定な組織に近づけ、所要の性質及び状態を与えるために、A1点以下の適当な温度に加熱、冷却する処理。 |
や | 焼戻し温度 | 焼戻しを行う温度。 |
や | 焼戻し時間 | 焼戻しに必要な加熱した炉中での保持時間。 |
や | 焼戻し脆性 | 焼入れした鉄鋼をある焼戻し温度に保持した場合又は焼戻し温度から徐冷した場合、脆性破壊が生じやすくなる。 |
や | 焼戻し炉 | 焼戻し加工のために用いる炉。 |
や | 焼戻しマルテンサイト | マルテンサイトを焼戻して得られる組織。 |
や | 焼戻し割れ | 焼入れした鉄鋼を焼戻しする際、急熱・急冷または組織変化のために生じる割れ。 |
や | 焼割れ | 焼入れ応力によって生じる割れ。 |
や | 焼け | 金属表面の色調が熱などによって著しく変化している状態。研削時に必要以上に切削負荷が加わった場合に多く発生する。研磨焼け、切削焼けともいう。 |
や | ヤング率 | 棒の断面に働く垂直応力と単位長さ当たりの伸び又は縮み(垂直ひずみ)との比。 |
ゆ | 油圧ばね | 油の弾性を利用するばね。 |
ゆ | 油圧プレス | 油圧によって駆動力を与えるプレス。 |
ゆ | U字形ばね | U字形のばね。 |
ゆ | Uフック |
引張コイルばねの端部の一種で、U字形のフック。
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ゆ | 有限要素法 | 無限の自由度を有する連続体を離散化して有限の自由度を持つ要素に分割し、個々の要素を連立方程式に組み立てて全体の系を数値計算する方法。 |
ゆ | 有効スパン | 板ばねのばね特性を計算する基礎になるスパンで、荷重支持点間の長さから胴締め部、Uボルト締付部などのばね作用をしない部分を除いたもの。 |
ゆ | 有効たわみ | ばね特性を計算する基礎になるたわみ。 |
ゆ | 有効巻数 |
コイルばねのばね定数の計算に用いる巻数。
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ゆ | 誘導炉 | 誘導電流によって生じる熱で加熱する構造の炉。 |
ゆ | ゆるみどめ座金 | ボルトやナットなどのねじが緩まないように締結部にはめ込む座金。 |
よ | 溶解 | 液体の中に他の物質が溶け込んで均一な相になること。 |
よ | 溶融亜鉛めっき |
めっきしようとする対象物を溶融した亜鉛の中に浸して表面に亜鉛皮膜を作ること。
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よ | 溶融すずめっき |
めっきしようととする対象物を溶融したすずの中に浸して表面にすず被膜を作ること。
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よ | 翼車式ブラスト機 |
羽根車式のショットブラスト機。
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よ | 抑制剤 |
化学反応または電気化学反応の急激なもしくは局部的な進行を妨げる物質。 |
よ | 横置き板ばね |
車軸と平行に板ばねを置き懸架する方式に用いる板ばね。 |
よ | 横置き二連重ね板ばね |
車軸と平行に設置した二つの重ね板ばね。 |
よ | 横荷重 | ばねの通常使われる方向とは、直角の方向に加わる荷重。 |
よ | 横剛性 | ばねの通常使われる方向とは、直角の方向からの荷重にたいする剛性。 |
よ | 横ずれ | 荷重入力が大きくなった場合、車両への取付け部でスタビライザーの軸方向に生じるずれ。 |
よ | 横ずれ防止バンド | バースタビライザーが横方向にずれるのを防止するために装着されるバンド又はバンド状の構造物。 |
よ | 横弾性係数 |
弾性限度内におけるせん断応力とせん断ひずみとの比。記号はG。単位記号はMPa又はN/mm2。
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よ | 横方向荷重 | コイルばねの中心線に対して直角の方向に入る荷重。 |
よ | 横方向たわみ | コイルばねがガイド機構なしの状態で圧縮されるときに生じる横方向たわみ。 |
よ | 横方向力 | コイルばねに作用する荷重のコイル軸との直交方向との分力。 |
よ | 横曲り | 平鋼又はそれを使用した重ね板ばねのばね板が長手方向に対して、左右に湾曲する現象。 |
よ | 予熱 | 溶接または熱切断の操作に先立って母材に熱を加えること。 |
よ | 予熱炉 | 材料などを高温加熱する必要がある場合、はじめ比較的低温で加熱する炉。 |
よ | 呼び寸法 |
部品などの規格値を代表する値又は寸法。
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よ | 予防保全 |
設備、機器などの使用中の故障を未然に防止するために計画的に行う保守。 |
よ | 余裕巻 |
ぜんまいを巻芯に巻き付ける方向に回転させるとき、その回転可能な巻数(最大巻数)と使用される範囲の巻数の上限値との差。 |
よ | 予巻 |
ぜんまいの自由状態から使用される範囲の巻数の、下限値まで巻き付ける巻数。 |
よ | より線ばね |
より線状の材料を用いたコイルばね。
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よ | 四輪駆動 |
自動車の四輪全部に駆動シャフトが働く駆動機構。 |
ら | ライナ |
きしみ音、たたき音などの抑制のために、重ね板ばねの先端部に付ける、またはコイルばねとばね座との間に入れるゴム製、合成樹脂製などの部品。 |
ら | ラジアル荷重 |
軸受中心軸に垂直な方向に働く荷重。 |
ら | 螺旋径 |
螺旋形状の内径あるいは外径。 |
り | リーフ長さ |
重ね板ばねの個々のリーフの長さ。 |
り | 離脱荷重 |
圧入した重ね板ばねのブッシュを逆に取り去るときの荷重。 |
り | リップル |
指示値・表示値または供給値の平均付近における周期的であるが非正弦波状の好ましくない変化。 |
り | リバウンドストローク |
懸架ばねにおける、常用荷重時からリバウンドストッパーで止まるまでの行程。 |
り |
リバウンド力 |
車両のリバウンド時に板ばねに加わる力。 |
り | リブ付き断面 |
長方形断面の幅方向の中央の、片面に溝を、片面にリブを付けたばね板の断面。 |
り | リミットスイッチ |
移動物が動く範囲の終端または近傍で自動的に電源を切るスイッチ。 |
り | リムド鋼 |
鋳型内で溶鋼中の酸素と炭素が作用して一酸化炭素を発生し、溶鋼が特有の沸騰撹拌運動(リミングアクション)をしながら凝固した鋼。 |
り | 粒界 |
隣接する結晶の境界。 |
り | 粒界破壊 |
金属の結晶粒の界面に沿って亀裂が発生し伝播して破壊する現象。 |
り | 粒界腐食 |
金属の結晶粒界に選択的に生じる腐食。 |
り | 粒界割れ |
結晶粒界に発生するか、またはそこを通過した割れ。 |
り | 硫化物 |
硫黄と化合してできた化合物の総称。 |
り | 流気式炉 |
加熱空気の循環により、主に対流により加熱を行う炉。 |
り | 流体クラッチ |
流体の充填または排出によって動力を伝達・遮断する流体継ぎ手。 |
り | 流体ばね |
気体及び液体の弾性力を利用するばねの総称。 |
り | 両腕付きねじりばね |
両端にモーメントを伝えるための直線部があるねじりばね。 |
り | 両絞り引張コイルばね | 両端末を円錐形にして形成した引張コイルばね。 |
り | 両スライドタイプ重ね板ばね | 両端に目玉がなく、すべり支持構造の重ね板ばね。 |
り | 両スライドタイプテーパリーフスプリング | テーパリーフ形の重ね板ばねで両端に目玉がなく、すべり支持構造の重ね板ばね。 |
り | 両振曲げ応力疲労限度 | 絶対値の等しい正負の曲げ応力が作用するときの疲労限界。 |
り | 両端研削 |
主として、圧縮コイルばねの端面を研削する加工。ばねの両端を端面研削する場合を両端研削という。 |
り | 両振応力 |
大きさが同じで符号が正負逆方向の外力によって生じる繰返し応力。 |
り | リラクゼーション曲線 |
リラクゼーション試験における応力と時間または荷重と時間の関係を表す曲線。 |
り | リラクゼーション試験 |
全ひずみ一定の条件の下で、荷重(応力)の時間的低下を測定する試験。 |
り | リラクゼーション測定 | 応力緩和の指標として荷重の低下を測定すること。 |
り | リラクゼーション値 | 初期荷重に対する減少した荷重の百分率。 |
り | リレー用ばね | 電磁コイルへの通電と停止によって接触子が直接または間接的に接点の開閉を行うリレーに用いるばね。 |
り | 臨海冷却速度 | 鉄鋼の焼入れの際、マルテンサイト変態を生じるのに必要な最小の冷却速度。 |
り | リングゲージ | 内径を精密に仕上げた環状の測定工具のことで、円の寸法を決定するために用いられる。 |
り | リン酸塩被膜処理 |
リン酸塩及び可溶性リン酸塩を主体とする水溶性液で金属を処理し、その表面に不溶性リン酸塩被膜をつくる処理。塗装の下地、鍛造の潤滑、一時的防錆などに用いられ、亜鉛系、マンガン系、鉄系がある。
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れ | 冷間圧延 |
常温で圧延すること。薄板ばね用材料のほとんどがこの工法である。
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れ | 冷間圧延鋼帯 |
常温で圧延した鋼帯。
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れ | 冷間加工 | 再結晶温度以下で加工硬化を伴う加工方法。 |
れ | 冷間成形 |
常温で加工、成形すること。
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れ | 冷間成形圧縮コイルばね |
冷間で成形する圧縮コイルばね。
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れ | 冷間成形ばね |
ばねの成形方法による名称で冷間で成形するばね。狭義には、冷間成形圧縮コイルばね、冷間成形引張コイルばねなどをいう。
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れ | 冷間成形引張コイルばね |
冷間で成形する引張コイルばね。
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れ | 冷間引抜き | 常温でダイスを通じて引抜加工をすることで、線材、鋼管、某国などの成形加工に用いられる。 |
れ | 冷間引抜鋼線 |
常温でダイスを通じて引抜加工して伸線した線。硬鋼線、ピアノ線などがある。
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れ | 冷却温度 |
冷却温度は熱処理では重要な因子の一つである。熱処理目的によって異なるが、冷却速度、加熱温度などに並んで重要である。 |
れ | 冷却時間 |
金属の熱処理において、二つの温度間の時間間隔。 |
れ | 冷却速度 |
ある温度が熱放射、熱伝送および対流によって低下する時間的割合。 |
れ | 冷却能 |
焼入れに用いる冷却剤の冷却能力。 |
れ | レール締結用ばね |
鉄道のレールと枕木とを締結させるばね。 |
れ | 劣化損失 |
設備の性能の低下による損失。例えば、出来高の減少や不良の増加などによる損失、運転費の増加、性能を維持・回復させるための保全費などの合計。 |
れ | レトルト炉 |
直接工作物が加熱されないように耐火性容器を設けた炉。 |
れ | 連続式ショットピーニング |
ワークを移動させながらショットピーニングを連続加工すること。 |
れ | 連続パテンチング |
結束していない鋼線に施されるパテンチングで連続的に処理される。 |
れ | 連続冷却変態曲線 |
鋼をオーステナイト状態から連続的に冷却した場合に生じる変態の様相を、縦軸に温度、横軸に時間(対数目盛)を取って図示した線図。 |
れ | 連続炉 |
加熱中に被加工物が挿入口から取出し口へ連続的に又は段階的に移動するような構造の炉。
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ろ | 炉 | 重油、灯油、ガス、電気などを熱源として熱処理や鍛造用材料を直接又は間接的に加熱する装置。 |
ろ | 炉冷 | 鋼を目的の温度に加熱、保持した後、炉内で徐冷すること。主に焼なましに用いられ、目的は内部応力の除去、硬さの低下、組織の調整、被切削性向上などがある。 |
ろ | ろう付け | 非鉄金属のろう材を溶融し、接合される部材を溶融しないで行う接合方法。 |
ろ | 労務費 | 製品やサービスの費用の一部で賃金に帰する部分。 |
ろ | ローラ式矯正装置 | 材料や鍛造品などに生じている歪みをローラーで矯正する装置。 |
ろ | ロールきず | 圧延又はロール矯正のときに生じる傷。 |
ろ | 炉床回転式炉 | 炉床が回転して挿入側と排出側が隣合せになった炉。 |
ろ | 炉床振動式炉 | ワークを加熱炉内に搬送する炉床板を間欠的に往復運動させる構造の炉。 |
ろ | 六角断面体イプトーションバー | 断面が六角形の素材を用いたトーションバー。 |
ろ | 六角頭部 | 六角形のトーションバーの端部。 |
ろ | ロックウェル硬さ |
ロックウェル硬さ試験機を用いて測定される硬さ。
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ろ | ロット | 同一の条件で生産されたアイテムの数量。 |
ろ | ロット番号 | 単一の供給者から供給される特定のロットに与えられる識別番号。 |
ろ | 露点計 | 試料気体の湿度を測定する装置。気体中で物体を冷却し表面に結露が観察された状態での表面温度を表示する。 |
わ | ワールの応力修正係数 |
ワールによって提唱された代表的なコイルばねの応力修正係数。Κ=(4c-1)/(4c-4)+0.615/cで表される。c:ばね指数 D/d
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わ | ワイブル曲線 |
ワイブル分布の故障密度関数を表した線図。 |
わ | ワイブル分布 |
設備・部品の故障の確率を表す最も代表的な分布で広い範囲にわたって故障の問題(寿命特性)の検討に利用される。 |
わ | ワイヤーガイド | コイリングマシンなどで線を成形部に送り出すときの、座屈防止及び正確な位置への搬送・供給のための案内装置又はプレート。 |
わ | ワイヤー式ホースクリップ | つまみをはさんで離すことによりホースをつかむ構造のワイヤークリップ。 |
わ | ワイヤーハーネスクランプ | 電線の束の離散防止またはその束を機材に固定させるためのばね。 |
わ | ワイヤーフォーミング |
ばねの材料の種類による名称で、線状の材料を用いた各種形状のばね。
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わ | ワインドアップ剛性 |
車体の加速度によって走行方向とは、直角なす水平軸の周りに生じるばねねじりモーメントに対する懸架用板ばねの剛性。 |
わ | ワインドアップトルク |
車体の加速度によって、走行方向とは直角な水平軸の周りに生じるモーメント。 |
わ | 割れ | 熱的又は機械的応力のために引き起こされる、局部的な破断によって生じる亀裂。 |
わ | 割れ検出器 | 割れを検知する装置のこと。X線透過試験、超音波試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験、渦流探傷試験がある。 |
わ | 割れの深さ | 亀裂の進行した長さ(深さ)をいう。 |
わ | 輪ばね | 外側は内側に、内側は外側に傾斜がある摩擦面をもった輪状のばねを重ね合わせたばね。 |
わ | 輪ばね外輪 | 輪ばねの外側に組み込まれる輪。 |
わ | 輪ばね内輪 | 輪ばねの内側に組み込まれる輪。 |
わ | 割出板 | スライス加工の際、工作物の角度の割出しに使用されるプレート。 |
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