1.ばねのせん応力修正係数とは
せん断応力修正係数とは、「せん断応力」を「修正」する「係数」です。
求めた「せん断応力」に「係数」を掛けて「修正」した値を出します。
ばねの設計では、押しばねや引きばねを設計するときに「せん断応力」を用います。ねじりばねのときは「曲げ応力」です。
2.どのような場合に「修正」するのか
結論から言うと、
ばねを「静的」に使用する場合 → せん断「未修正」応力
ばねを「動的」に使用する場合 → せん断「修正」応力
となります。
「動的」に使用する場合とは、1000回以上繰返し荷重をかける場合をいいます。
3.なぜ修正するのか
ばねを動的に繰返し使用する場合には、「ばねの疲労」が問題になります。
実際のコイルばねには、以下の2つの力の影響があります。
①内側の材料表面の応力が外側の材料表面の応力より大きい。
②計算式は前提としてねじり応力しか考慮していないが、実際は直接せん断応力も材料に影響している。
繰り返し荷重に疲労を問題にするときには、上記を考慮して修正した数値で最大応力値を求めます。
そうしないと、ばねの早期破損などの不具合が発生します。
4.せん断修正係数の求め方
①グラフから求める方法
下記のグラフから「修正係数」を求めます。
ばね指数c=コイル平均径D÷線径d です。
②公式から求める方法
一般的にはワールの公式を使って求めます。
ワールの公式
修正係数=(4×ばね指数-1)÷(4×ばね指数-4)+0.615÷ばね指数
JISはワールの公式を推奨してます。
他にゲーナーの式やベルグストラッサーの式というのもありますが、使用する場合には当事者間で協定してから使用してください。
ちなみに、ワール以外の式は以下のようになります。cは「ばね指数」です。
ゲーナーの式 修正係数=1+5/4c+7/8c2+1/c3
ベルグストラッサーの式 修正係数=(c+0.5)/(c-0.75)
ワール、ゲーナー、ベルグストラッサーは人の名前です。それぞれの式の特徴を簡単に説明すると、次のようになります。
材料力学系の式 → ワール
弾性理論系の式 → ゲーナー、ベルグストラッサー(ゲーナーの式の簡易版)
5.曲げ応力修正係数について
ねじりばねの計算では、「曲げ」応力修正係数を用います。せん断応力修正係数ではないので注意してください。
どのような場合に「修正」するのかというと、ねじりばねを「巻き戻す方向」に使用する場合に係数を用いて応力を修正します。
押しばねや引きばねのように「静的」か「動的」ではなく、「巻き込んで使用する」か「巻き戻して使用する」かです。
曲げ応力修正係数については下記のページを参照ください。
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