耐疲労ばねには、ばね用オイルテンパー線が用いられます。ばね用の硬鋼線やピアノ線のような鋼線に比べて耐疲労性がたいへん優れています。また、適切なショットピーニング処理を行うことにより、疲れ限度は約30%アップします。
一般的には、自動車のバルブスプリングや、サスペンションスプリング、クラッチスプリングなどに使用されます。
自動車関連ばかりでなく、小スペースで高応力が必要な場合や、従来のピアノ線ではすぐに折れてしまう場合などには、ばね用オイルテンパー線が有効です。
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JISでは、下記の種類のばね用オイルテンパー線があります。
1.一般ばね用オイルテンパー線
ばね用炭素鋼オイルテンパー線(SWO-A,B)
ばね用シリコンクロム鋼オイルテンパー線(SWOSC-B)
ばね用シリコンマンガン鋼オイルテンパー線(SWOSM-A,B,C)
2.弁ばね用オイルテンパー線
弁ばね用炭素鋼オイルテンパー線(SWO-V)
弁ばね用クロムバナジウム鋼オイルテンパー線(SWOCV-V)
弁ばね用シリコンクロム鋼オイルテンパー線(SWOSC-V)
さなざまな種類がありますが、現在一般的に使用されているのはシリコンクロム鋼オイルテンパー線(SWOSC)です。線径8mmまでなら、弁ばね用がおすすめです。
他の種類は生産や流通量が少なく入手しにくい場合があり、納期とコストは事前に確認する必要があります。
さらに高強度の弁ばね用オイルテンパー線としてSWOSC-VH(高炭素シリコンクロム鋼)やSWOSC-VHV(シリコンクロムバナジウム鋼)なども開発されています。
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ばね用オイルテンパー線は優れたばね材料ですが、弱点もあります。
①ばね用オイルテンパー線は、たいへん水素脆化しやすい材料です。 メッキや酸洗は絶対にしないでください。防錆対策として、一般的には塗装や黒染め、パーカー加工などをします。
②強い小さな曲げ加工、とくにばね指数(中心径/線径)の小さなコイリングは硬鋼線・ピアノ線よりも苦手です。線径が太いばね用オイルテンパー線は折損しやすいので、設計するときに注意が必要です。
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