ばねをショットピーニングする目的は、ばねの疲れ強さを向上させることにあります。ショットピーニングとは、ショット(微小の金属球)を高速でばねに打ち付ける加工のことをいいます。
ばねの疲れ強さ向上とはどういうことか。
小さな力でも繰り返し何度も金属に力を加えると、金属はやがて破壊されてしまいます。これを金属の疲労破壊といいます。疲れ強さが向上すると、ばねの寿命が延びます。
原理としては、刀などは何度もハンマーで叩いて強度を出していますが、ショットピーニングもそれと同じです。
学問的にいうと、表面が加工硬化するのと同時に、圧縮残留応力が発生し、この応力の生成がばねの疲れ強さを向上させていると考えられています。
ショットピーニングマシンは、高速回転する歯車の遠心力によってショットが大量にばねに投射される仕組みになっています。
投射が終了したショットは集められて、破砕ショット等が風圧により自動選別されたのち、再利用されます。
ショットピーニングの処理をしたばねは、表面が梨地状になります。
オイルテンパー線は、ショットピーニングする前は表面は茶色ですが、処理後は銀色のきれいな梨地になります。
また、ショットピーニングは疲れ強さ向上の目的だけでなく、太線ばねを研削したときにできる焼きついた付着物の除去などにも利用されます。
|
|
|
ばねをショットピーニングする場合には、次の注意が必要です。
①セッチングをする場合は、ショットピーニング後に行う。
②ショットピーニング後は、低温焼きなまし(テンパー)によって弾性の回復を図ることが効果的だが、温度が高すぎると有効な圧縮残留応力が減少するので、200~250℃以下にする。
③加工層は一般に錆びやすいため、ショットピーニング後は、なるべく早くばねに錆び止め処理をする。
「いいね!」ボタンを押すと最新情報がすぐに確認できるようになります。
>YouTubeチャンネル【ばねの総合メーカー「フセハツ工業」】動画配信中です!
>新YouTubeチャンネル【フセハツ工業のばね作りチャンネル】新着製造動画、更新中です!
■ばねのショットピーニングに関連する項目
プロバスケットボールチーム「大阪エヴェッサ」の公式スポンサーになりました!
>ブログ「ばねとくらす」【プロバスケットボールチームの公式スポンサーになりました】
メールアドレスはこちら