ピアノ線と硬鋼線は、ばね用材料の代表的なものです。ピアノ線と硬鋼線の違いや特徴について説明します。
この二つの材料はよく似ており、 ばね用ステンレス鋼線のように見た目では区別がつきません。いったいどこがどう違うのか。
ひとことで言うと、ピアノ線は高級材料で硬鋼線は一般材料ということになります。ピアノ線の方が価格は当然高くなります。一概には言えませんが、ピアノ線は精密機械のばねに使用され、硬鋼線は雑貨やシャッターなどの身の回りのばねに使用されることが多いです。
同じ高炭素鋼線で化学成分もほとんど同じなのに、ピアノ線のどこがいったい高級なのかというと、ピアノ線の方が硬鋼線よりもテマヒマをかけて製造しているからです。
まず、化学成分については、不純物や介在物が硬鋼線よりも厳しい規格が用いられています。また、表面のキズの深さや脱炭層の深さについては、硬鋼線には規格がありませんが、ピアノ線では規格化されチェックされています。
目には見えない微妙な違いですが、これがばねの品質に大きな影響を与えています。
見た目で区別することは、まずできません。高価なピアノ線で発注しても、製造元が安い硬鋼線で製造した場合、それを外観で見分けるのは、ほぼ不可能といっていいです。ばねを使用して何か問題が起きないかぎり分かりません。見分けるためには、材料の成分分析を検査機関に依頼して分析してもらう必要があります。
一般的な対策としては、ばねを発注するときに、材料メーカーが発行する材料検査成績表(ミルシート)の添付をあらかじめ義務付け、いつでも材料を追跡できるようにしておきます。
硬鋼線の材料検査成績表 |
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