板ばねに使われる材料について、ご紹介いたします。
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板ばねの製造に使われるJISのばね用冷間圧延鋼帯は、みがき特殊鋼帯(全部で38種類)のJIS規格の中からばねに適したものを8種類選び、さらにばね用として必要な4種類の調質区分(A:焼きなまし R:そのまま H:焼入焼戻し B:オーステンパ)をそれぞれに設けて規格化したものです。
普通のみがき特殊鋼帯(「みがき」とは研磨しているという意味ではなく、冷間加工しているという意味)よりも厳しい規格となっています。
4種類ある調質の中でも、比較的よく使用されるのは、H:焼入鋼帯(リボン鋼)とB:ベイナイト鋼帯です。これらの材料は成形後に本格的な熱処理が必要でない点で共通しています。
焼入鋼帯(リボン鋼)
・板ばねとして必要な強度は、素材の段階で既に備えている。
・強度は強いが、成形性に乏しい。
・抜き打ち加工のみや、軽い曲げ加工だけの板ばねに適している。
・成形後はテンパー(低温焼きなまし)が必要。
ベイナイト鋼帯
・板ばねとして必要な強度は、素材の段階で既に備えている。
・硬さは焼入鋼帯に劣る。
・靭性が優れており、焼入鋼帯よりも良好な曲げ加工性をもっている。
・成形後はテンパー(低温焼きなまし)が必要。
板ばねに使われるばね用ステンレス鋼帯は、ばね用冷間圧延鋼帯よりも耐食性・耐熱性・非磁性で優れています。
性質では銅合金系に劣りますが、コスト面で銅合金系よりも安価であるため、さまざまな分野の板ばねの部品に多く用いられています。
JISのばね用ステンレス鋼帯は全部で5種類が定められていますが、比較的よく使用されるのはSUS304-CSPとSUS301-CSP です。
SUS304-CSP
・SUS301-CSPよりもニッケルとクロムの成分が多い。
・板ばねに使われる最も一般的なばね用ステンレス鋼帯である。
・強度は、1/2H・3/4H・Hの3種がある。
SUS301-CSP
・SUS304-CSPよりも炭素の成分が多い。
・同じ加工度でもSUS304-CSPよりも硬くなりやすい。
・強度は、1/2H・3/4H・H・EH・SEHの5種類がある。
その他の薄板材料
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