ばねの設計や計算には、わかりにくい力学用語がたくさん出てきます。材料力学に関連するばね用語について解説します。
応力
単位面積あたりに作用する荷重の大きさを応力という。単位はN/mm2。
圧縮コイルばねや引張コイルばねは、ねじり応力を受ける。ねじりコイルばねは、曲げ応力を受ける。垂直応力はギリシア文字でσ(シグマ)、せん断応力はτ(タウ)と表わす。
ひずみ
物体に荷重が加わると、物体の内部には応力が発生し、形状が変化する。そのときの変形した割合をひずみという。
圧縮荷重や引張荷重が作用したときのひずみは縦ひずみといい、ギリシア文字でε(エプシロン)と表わす。また、せん断ひずみはγ(ガンマ)と表わす。
弾性変形
荷重を取り除いたとき、ひずみがなくなり元の形状に戻る場合を弾性変形という。
塑性変形
荷重を取り除いたとき、元の形状に戻らず永久ひずみが残る場合を塑性変形という。
引張強さ
引張試験開始から破断までの間での最大荷重を試験片の面積で割った値を引張強さという。
降伏点
物体に荷重を加えていくと、あまり荷重が増加していないのに急にひずみが増加する点がある。これを降伏点という。軟鋼で比較的観察しやすい。ばね材料のような硬い鋼線では降伏点がどの点かを 観察するのは難しい。
耐力
ばね材料ははっきりした降伏点を示さないので、降伏点に準じる点として塑性ひずみが0.2%生じた点の応力を耐力とする。
弾性限度
ひずみが0.05%生じた点の応力を弾性限度という。
ばね限界値
引張試験ではなく、曲げ試験で永久変形をする最大応力をばね限界値という。主に板ばねの材料で使用される。
弾性係数
弾性限に至るまでは、応力とひずみは直線関係にあり、その直線式の係数を弾性係数という。
曲げ応力、引張応力、圧縮応力の場合は、縦弾性係数(ヤング率)といい、Eで表わす。また、せん断応力、ねじり応力の場合は横弾性係数(剛性率)といい、Gと表わす。
ポアソン比
横ひずみの絶対値を縦ひずみで割った値をポアソン比といい、ギリシア文字ν(ニュー)で表わす。この値は、物質によって決まる。
応力集中
材料の表面に急激な変化点があると、本来一様に分布しているばすの応力がその点に集中する現象をいう。ばねの材料にキズがあると、そこに応力が集中し、折損したり計算どおりに荷重がでなかったりすることがある。
疲労
ばねは弾性限以下では元の形状に戻るのだが、弾性限以下の応力でも繰り返し荷重を加え続けると、微小なクラックが発生し折損する。この現象を疲労という。
へたり
ばねは弾性限以下では元の形状に戻るのだが、弾性限以下の応力でもある一定の荷重を長時間負荷し続けると永久変形が生じる。この現象をへたりという。
クリープ現象
高温の使用時によく目留められる。荷重を負荷すると、最初は大きくひずむが、ある一定の点でひずみの速度が一定になり、その後急速にひずみが大きくなり折損する現象をいう。
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