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社史「ばね物語」
2026/08/04

社史『ばね物語』28 再興(1)ヤマト発条との合併

吉村 篤
ばねとくらす


ばね物語 フセハツ工業50年の歩み

フセハツ工業の社史『ばね物語』は、三代目社長吉村健一が社業50周年を記念して発刊しました。


社史『ばね物語』発刊にあたり、協賛いただいたフセハツ工業OB会の方々。

株式会社東洋発条製作所     代表取締役 浦野春夫
コシオカ産業株式会社      代表取締役 越岡元弘
コシオカ産業株式会社        取締役 越岡伸子
株式会社隆光スプリング製作所  代表取締役 永田隆光
株式会社永田発条        代表取締役 永田昭夫
永田スプリング製作所         社長 永田一義
株式会社タイガーバネ製作所   代表取締役 竹山保
タツマ工業株式会社       代表取締役 吉川晋吾
協和バネ製作所            社長 中田鉄弘
フセハツ工業株式会社      代表取締役 吉村健一


『フセハツ工業』の企業理念
 弾む原理を進化させ、
 小さくても大きな使命と責任感をもって
 社会に貢献すべし


再興(1)ヤマト発条との合併

推挙された三代目は吉村健一

為宣が亡くなったあとのフセハツ工業を誰が継ぐのか、について親族を中心に協議された。

フセハツ工業は往時に比べると、社員の数は少なくて、工場の生産は派遣会社からの外国人労働者がほとんどを占めていた。


先代作田忠雄の妹、伸子の夫の越岡元弘が監査役でもあったので話し合いをリードした。

忠雄の妻であり、為宣の母・タカヰはフセハツ工業の仕事をしたことはなく、二代目社長為宣の妻・幸子はまだフセハツ工業の仕事に入って日が浅く経験不足である。

タカヰでも幸子でも実力が不足しているのは確かだった。

越岡は三代目社長に忠雄の娘婿である吉村健一を推挙した。


為宣が脳腫瘍の手術をして入院している間に、当社の経営を心配したタカヰが吉村に「ちょっと会社の内情をみてほしい」と頼んだ。

相談に乗り、経営状態を調べてタカヰに報告したことがあるので、吉村はフセハツ工業の内情を少しは理解している。

ただ、退職してから15年の歳月が流れている。


越岡夫婦は「為宣が亡くなったあと作田家は途絶えるし、親父が命をかけて育てたフセハツ工業の存続も難しいので、できるだけ早く決断してほしい」と吉村に懇願した。


ばね物語



吉村が後継者に推されたのは創業者の娘婿であり、バネ業界に精通している点である。

越岡以外の作田家と永田家双方の親類からも同様に懇願されていた。

吉村は数日間、苦慮し続けた。

当時、吉村はヤマト発条を含め三社の社長を兼務しており極めて多忙だった。


ヤマト発条の仕事をしながら、規模の大きなフセハツ工業の経営に携わることは不可能である。

「合併」の二文字が頭をよぎる。

合併となれば、社歴が古く規模の大きなフセハツ工業が存続会社となり、長年苦労して手塩にかけて、ここまで築きあげたヤマト発条の名前を消さなければならない。

吉村にとっては断腸の思いである。また、社員のことも心配であった。


しかし、作田家と将来のフセハツ工業の存続を考えて、平成5年(1993)7月、フセハツ工業はヤマト発条と合併、三代目社長に吉村健一が就任した。


日刊工業新聞は「ヤマト発条が“里帰り”合併、フセハツ工業は存続」と記事に書いた。

吉村が当社に帰ってきたとき、主な社員は山本、北野、横田、名田の4人となっていた。

営業部門はすでになく、電話による受注のみをこなしている状態であった。

工場は人材派遣会社からの労働者ばかりで、会社の羅針盤である経理部門までも派遣社員であった。

吉村は命懸けで一から出直す腹を決めた。書けば簡単な文句になるが、その状況はいかばかりの決意かである。


新生「フセハツ工業」への布石は素早く打っていかれた。

新しい「フセハツ工業」が、難産ながらも生まれようとしていた。


ばね物語




>社史『ばね物語』27 苦難(3) 作田為宣社長の死


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監修者

吉村篤写真.jpg

フセハツ工業株式会社

代表取締役社長 吉村篤

2000年、ばねの総合メーカー「フセハツ工業株式会社」に入社。2013年、四代目代表取締役社長に就任。

  • 一般社団法人 日本ばね工業会 会員
  • 日本ばね学会 会員
  • 公益社団法人 大阪府工業協会 評議員
  • 東大阪市工業協会 理事
  • 東大阪商工会議所 議員
  • 特定非営利法人 新共創産業技術支援機構(ITAC)理事
  • 一般社団法人 大阪溶接協会 会員
  • 一般社団法人 布施交通安全自動車協会 理事

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