ばねの中には「ゼンマイばね」と呼ばれるものがあります。由来は山菜のゼンマイに似ていることから来ているのですが、薄板を渦巻き状に巻いたものをゼンマイばねと呼びます。渦巻き状に巻きつけられた板は元の状態、つまり巻かれる前の状態に戻ろうとします。その力を利用するのがゼンマイばねです。
実例のため、身近にあったゼンマイばねを使った物を分解しました。引っ張ると元に戻る機構を持つ、メジャーです。
このメジャーのネジを外すと、
ゼンマイばねが入った機構が出てきました。
この機構は、ゼンマイばねの中心の板をを爪でつかんでいるだけなので、それを外すと簡単に取り外せます。ですが、この爪が掴んでいるからこそばねは正常に機能するのです。
メジャーを最後まで引っ張るとこのようになっております。
ゼンマイばねを抑える蓋を取りますとこのようになっております。
このゼンマイばねがきちっと巻かれると、元に戻ろうとする力が貯蔵され、ばねを離せば力が解放され元に戻ろうとする(巻かれていない状態に戻ろうとする)。例えばメジャーを引っ張ればゼンマイばねはぎゅっと巻かれます。そして離すと、その力は解放され、元に戻ろうと一気に戻っていきます。
わかりにくければ、指などに紙をきゅっと巻き付けてみてください。そして手を離すと、紙は広がり元の形、つまり巻き付いていない平面の形に戻ろうとするはずです。
その力がゼンマイばねの仕組みとなります。ベイブレードのランチャーも調べてみましたが、同じ機構であると考えられます。
手元の資料にありました図をここに紹介します。下図の真ん中がゼンマイばねで、今回メジャーの中にあったばねはこれになります。左は渦巻きばね、右がひげゼンマイばねと言います。
ゼンマイばねは江戸時代からクジラのひげを巻いたものがカラクリ人形に使われており、最初に使われたのは15世紀のヨーロッパでゼンマイ式時計に使われたと言います。
今でも時計機構などには一般的に使われており、昔ながらのゼンマイ式おもちゃなど、すべてほぼ同じ仕組みでばねは使われています。ある意味、平成のベイブレードも昭和のゼンマイ式おもちゃも大して差はないと言えますね。
このことからもばねは汎用性に優れていると言え、近年ではエコの観点から価値を見直されているそうです。不思議なことに、江戸時代の技術が最新のエネルギー技術となり得るのです。
※現在弊社では、ゼンマイばねの製作は致しておりません。
予めご了承いただきますようお願い申し上げます。
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