「鉄鋼新聞」に弊社の記事が掲載されました! 試作から納期まで ばね製造でモノづくり支える ウェブマーケティングにも注力
hirose062810月21日の鉄鋼新聞に弊社の記事が掲載されました!!
若手経営者の未来展望⑩
𠮷村篤・フセハツ工業社長
試作から納期まで
ばね製造でモノづくり支える ウェブマーケティングにも注力
「最先端の自動車から身の回りの家電まで、ばねは私たちの生活に欠かすことのできない重要部品だ。様々な需要に対応できるよう、1個の試作から納品まで一貫して、ユーザーのモノづくりを支えていく」と𠮷村篤社長(48)は自社の展望を描く。
同社は1946年(昭21)に東大阪市(当時は布施市)で個人創業して以来、半世紀以上にわたり各種ばね製品を製造・販売してきた。50年代には健康器具や遊戯道具のホッピング向けばねなどを、80年代にはハンドグリッパーといったスポーツ・トレーニング向けなどを。時代の流れとともにばね製造の幅を広げ、大阪には同社からのれん分けしたばねメーカーも多い。
現在同社では2~3㍍の大型ばねから米粒サイズまで製造しており、月産量は40㌧前後。向け先は自動車向けワイヤーリングや、美容院・歯科医院などで使用する自動昇降椅子向けなどをメインに、産業機械、天文台やアミューズメント関連施設向けなど幅広く手掛ける。1個からでも注文を受け付けており、高校・大学の設計研究に協力することも。また日本で唯一洗濯バサミ用ばねを製造しており、刑務作業向け部品としても貢献している。
ばねの素材はピアノ線、硬鋼線、オイルテンパー線、ステンレス鋼線など多岐に渡る。また、巻き数や熱処理・めっきの有無などによりばねの性能は変化する。ユーザーからは、「このスペースにこの能力を持ったばねを取り付けたい」といった設計段階での引き合いが多い。使用環境を考慮して、大量の素材や処理方法から最適解を探し、同社の営業とともに提案・試作・シミュレーションを図る。これらをスムーズに行うためにもそのためにも日々、営業・設計・製造の連携を大切にしている。
同社は𠮷村社長の就任以降、提案型営業の入り口としてウェブマーケティングに注力している。ホームページの定期的な更新やコンテンツの充実化、公式TwitterやFacebookの運用、Youtubeチャンネルの開設など、積極的にメディアでのPRを行っている。「もともとひと月数件ほどだったウェブからの問い合わせは、300件ほどに増えた。根気強く更新を続けていたおかげで新規のお客様とも出会えた。採用活動でも、オープンな会社として学生に安心感を持ってもらえる」と話し、「また、最近では個人の方から趣味のバイク用サスペンションを作れないかといった引き合いも。B to Cの割合はわずかだが、喜んで対応させていただいていた」と笑顔で話す。
社員の平均年齢は20~30代が最も多く、足元ではベテランから若手へばね作りのノウハウを丁寧に継承しているところ。同時に、工場内設備の更新も毎年行っており「力仕事のイメージが強いが、女性や障害を持った人でも使いやすいよう従来の機械をコンスタントに整備し、自動化に長けた機器を積極的に導入している」と語る。現在、工場ではレトロなマシンから最新のものまで80台のコイリングマシンが現役稼働している。
半世紀以上続く東大阪でのばね製造において、企業PRの方法や現場環境の整備などを時代に合わせて変化させてきた。そういった中で𠮷村社長は「仕事で大切なのは協調性。世代や考え方が変わっても、みんなで協力しようという気持ちが何よりも必要。社内でのダイバーシティを実現することが、お客様に寄り添うモノづくりの第一歩だと考えている」とし、「お客さんに信頼していただける企業としてさらに成長するため、一つ一つの注文に真摯に対応することで、日本のモノづくりを支えたい」と笑顔で話す。
(山浦 なつき)
引用文献
「若手経営者の未来展望⑩ 」鉄鋼新聞、2021年10月21日。記事切り抜き