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引きばね(引張りコイルばね)設計 5つのポイント

 
 

引張りばね(引張りコイルばね)を設計して、図面仕様を決定するときの実践的なポイントについてまとめました。

 

 

 

>ばね設計の基礎 「ばね設計手順 7つのポイント」 

 

>ばね設計の基礎「ばねの材料選択 5つのポイント」

 

>ばね設計の基礎「押しばねの設計 5つのポイント」

 

>ばねのJIS規格

 

>ばね材料のJIS規格

 

>基本のばね用語

 

>ばね用語(辞典編)

 

 

 

 

引きばね設計

 

 

 

引きばね(引張りコイルばね)設計 5つのポイント

 

 

ポイント1 引きばねのフック

 

引きばね(引張りコイルばね)の代表的なフックの形状は以下のようなものがあります。

 

 

引きばねのフック

 

 

 

それぞれのフックの特徴、メリットとデメリットについては、次のページをご参考ください。

 

>引きばねのフック

 

 

 

フックの許容差(バラつき)については以下のような種類があります。

 

フック部許容差.jpg

 

図の左から

 

①フックの対向角のバラつき

 

②フックの中心線のバラつき

 

③フックの倒れのバラつき

 

④フックの出っ張りのバラつき

 

 

フックに許容差を記入する場合は、原則として当事者間で協定します。あらかじめ、許容差が定められているわけではありません。

 

ばね特性(荷重やばね定数の許容差を指定する場合)には、フック寸法は参考値になります。

 

 

 

 

 

ポイント2 初張力について

 

初張力とは、「無荷重時に密着している引きばね(引張りばね)の内力」と一般的に定義されています。

 

引きばねは、初張力を有効に活用して省スペース化を図る点に特徴があります。

 

初張力と荷重の関係は以下の図のようになりますが、初張力という下駄をどれだけ履くかで荷重が決まります。初張力が強いほど省スペース化に有利です。

 

 

初応力.jpg

 

初張力は、加工の仕方で強くすることもできれば弱くすることもできます。

 

 

省スペース化するために初張力を強くして設計することが多いですが、その時には以下の点に注意する必要があります。

 

①初張力は強すぎても弱すぎても加工が困難になります。適正な範囲があります。適正範囲外で設定する場合には、当事者間で協定する必要があります。

 

②ばねは加工後にテンパー処理(低温焼きなまし)を行います。かなり強い初張力を維持するためには通常より低温(200℃~250℃)でテンパー処理を行うか、またはテンパー処理を省略します。

 

この場合、通常よりフック部が脆く折れやすくなります。

 

③テンパー処理すると初張力が抜けます。どの程度減少するかは材質によって違います。初張力が減少する目安は次のようになります。

 

硬鋼線・ピアノ線  20~35%減

 

ステンレス鋼線   15~25%減

 

テンパー処理による初張力減少を計算に入れずに設計している場合が多いので注意が必要です。 

 

 

 

>ばねの熱処理について

 

 

>初張力の範囲(グラフ)

 

 

>引きばねの初張力の計算

 

 

 

 

 

 

ポイント3 ばね特性の許容差を指定するときの注意点

 

 

ばね特性とは、①指定長さのときの荷重 ②ばね定数 をいいます。

 

図面で仕様を決定するときには、基本的には「ばね特性」の許容差は指定しません。

 

どうしても「許容差」を指定する必要がある場合に、「ばね特性」の「①指定長さのときの荷重」の許容差(公差)を指定します。

 

さらに、なお、必要性があると認められる場合に「②ばね定数」の許容差を指定します。

 

ばね特性の許容差を指定した場合には、自由長さは参考値とします。自由長さに許容差は付けません。

 

「ばね特性」と「自由長さ」の両方に許容差をつけた場合は、量産製造が困難になってコストが高くなることがあります。

 

 

>引きばね(引張りばね)の許容差(公差)

 

 

 

また、指定荷重やばね定数はばねのたわむどこの場所でも指定してよいというわけではありません。下記のようなルールがあります。

 

 

「指定長さのときの荷重のルール」 

 

指定長さは全たわみの20~80%の間になるように指定します。 

 

荷重は最大試験力の80%以下でないといけません。

 

 

「ばね定数のルール」

 

全たわみの30~70%にある2つの荷重点における「荷重の差」÷「たわみの差」で求めます。

 

荷重は最大試験力の80%以下でないといけません。

 

 

ばねの最大試験力については、次をご参照ください。

 

>ばねの最大試験力とは

 

 

 

 

 

 

 

ポイント4 ばね指数

 

ばね指数とは、コイル平均径を線径で割った数字をいいます。

 

記号で書くと、c=D/dとなります。ばね指数のことをディーバイディーともいいます。

 

ばね指数は3~22の範囲内で設計することが推奨されています。

 

また、ばね指数によって許容差の範囲が変わってきます。

 

ばね指数が小さすぎたり大きすぎたりすると加工性が問題となり、製造不可になったりバラつきが大きくなったり、コスト増になったりします。

 

 

 

>引きばね(引張りコイルばね)の許容差

 

 

 

 

 

 

ポイント5 その他の諸注意

 

①巻数

 

引きばねの有効巻数は総巻数と同じになります。ただし、フック部は除きます。

 

ばね特性に許容差がある場合には、巻数は参考値になります。

 

 

 

②セッチング

 

引きばねはセッチングを行いません。セッチングすると初張力がなくなるので一般的には行いません。 

 

 

 

③塗装

 

引きばねのような密着コイル部がある場合には、一般的には塗装しません。

 

塗装の膜厚が一定せず、設計どおりにばね特性にならないことが多いからです。

 

また、密着部は膜厚が形成されないので、防錆力が著しく低下する場合があります。

 

 

④自由長さ

 

引きばねの自由長さは、両側のフックの内側から内側の長さをいいます。

 

外側の端から端までの最大の長さは自由長さではないので注意しましょう。

 

ばね特性に許容差を付ける場合は、自由長さは参考値になります。

 

 

 

 

 

 

ばね設計について何かわからないことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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